一般社団法人 秋田県中小企業診断協会

失敗しない計画の立て方 「仮想敵」の作り方

2015.11.20

勉強や旅行など、あるゆることを上手にやるには「計画」が必要です。
ビジネスでは、長期的な「計画」を「戦略」と言ったりします。

この計画をうまく立てて、実行できるかが成功のキモと言っても過言ではありません。

それでは、この計画はどのように立てたらよいのでしょうか?

「こうなったら良いな」という希望に基づいた計画を立てる人は、たいてい失敗します。
なぜなら、客観的な視点が抜けているためです。

計画を立てるにはコツがあります。

それは「仮想敵」を作ることです。

仮想敵とは?

仮想敵とは文字通りの「仮想」の「敵」です。自分たちの想像の中で作り上げた「敵」です。

要するに、攻略すべき具体的な対象を作ることです。

ビジネスの場合、これは企業であったり、市場や、顧客像だったりします。

計画を立てるというのは、この(仮想)敵を倒す手順を考えることなのです。

この場合の敵は、できるだけ具体的なイメージをするのが良いです。

もし、明確なライバルがいるの場合は、仮想敵ではなく「実在の敵」でもいいです。

たとえば、あなたが作ったあるケーキを売りたいとしたら、自分の良く知っているケーキ店を思い出してください。そのケーキ店に勝って商品を売るには、どのようにしたら良いのかを想像するのです。

知り合いに「私の作ったケーキを買ってください」と言っても、1回くらいは義理で買うかもしれませんが、そのうち近所のケーキ店で買うようになるのは、想像に難くないはずです。

敵を倒すためには、必ず知っておくことがあります。

それは、自分の実力です。

本当に、自分の実力を知っていますか?

何事も、中途半端になってしまう人がいますが、そのような人は、自分の実力を過大評価しているか、または過小評価しています。

企業であっても同じです。
偶然うまくいったのを実力だと勘違いしている企業。
素晴らしい技術を持っていても、大手には勝てないと思い込んでいる企業。

自分の実力を客観的に、かつ正確に理解するというのは、意外と難しいのです。
特に、弱みを指摘することは、相手の気分を害することが多いので、自分の弱みを正確に認識している人や企業は少ないです。

しかし、成長している人や企業というのは、自分の実力を正確に理解しています。
なぜなら、自分の強みで差別化を図り、弱みを補強するように行動するためです。

仮想敵に勝つための計画

もし、自分の実力を正確に理解していれば、仮想敵を倒す計画を立てるのは難しくないです。

あなたは、自分の作ったケーキの店舗販売を始めたいとします。
あなたの実力は、お菓子作りには自信があるが、特に菓子作りの修行をしたわけではなく素人です。
あなたが出店したいというエリアには、すでに老舗の洋菓子店があります。
開店資金は多くないので、大きな店舗は借りられません。

このような状況では、普通に考えれば勝ち目はありません。

しかし、自分の実力と敵の実力を正確に理解していれば、勝つための戦略(計画)が見えてきます。

まず、競合店と同じ商品を売っていては勝てません。
競合は洋菓子なので、和菓子にするというアイデアがありますが、あなたは和菓子の作り方は分かりません。
そこで、材料に小豆などを使用して、和風のアレンジを加えて差別化を図る工夫が思いつきます。

さらに、あなたはプロの職人ではないので、複数の商品を作っていては、時間もかかるし品質が下がります。
そこで商品ラインナップを、自信のある数品に絞り込んで、その分、競合よりも買いやすい値段にするという商品戦略が良さそうです。

商品ラインナップを絞り込んだことで、店舗は小さくても済みます。ただし、商品コンセプトにあった内装やインテリアは必要です。

そこで、あなたがすべきことは

・ケーキを和風にアレンジできる材料や調理法を調べる。
・短時間で大量作ることができる方法や調理器具を導入する。
・店舗を和風にするため、古道具屋などからインテリアを安く購入する。

ということになります。

どうでしょうか?
自分の実力と敵の実力を理解するだけで、勝つための具体的な計画が導かれました。
漠然とした計画を立てるのではなく、このように具体的にすることが大切です。
すべきことが直観的にイメージできるのが分かると思います。

まとめ

今回の例は、分かりやすいように「実在の競合店」という設定にしましたが、当然存在しない敵でもいいのです。むしろ、実在する敵より、少し強い敵を想定するほうが良いのです。

その敵を倒すためには、「何をしなければならいなのか?」「何が必要なのか?
これを1つ1つ解決していく手順が、冒頭の「計画を立てる」ということなのです。

計画を立てるためのポイントは、「仮想敵」をより具体的にイメージすることです。

あまりにもレベルが違う企業や人を仮想敵としも、計画が現実から乖離するだけです。
「諦めなければ倒すことができそうだな」ぐらいの仮想敵をイメージしてください。

きっと、明日からやらなくてはいけないことが、見えくるはずです。

この記事の著者

小笠原貴史

小笠原貴史

フォームズ株式会社

企業のウェブ戦略、情報システム、セキュリティが専門です。
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