一般社団法人 秋田県中小企業診断協会

人口減少率が日本一の秋田県 本当にすべきことは?

2015.11.25

秋田県の2025年の人口

さて、2015年も残すところあと1か月足らずになりました。

秋田県は人口減少率が日本一と言われて久しいのですが
具体的にどのくらい減るか実感している人は意外に少ないです。

そこで、今から10年後の2025年の人口予測を調べてみました。

「国立社会保障・人口問題研究所」の日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)によると、秋田県の2025年の人口予測は「893、224人」です。

2014年10月時点の人口は「約103万人」なので、あと10年で14万人減る計算です。

減少割合では、2010年を100とすると「82.2」になります。
ちなみに2位は、隣の「青森県」で「84.6」です。2ポイント以上の差があります。

ここから予測できることですが、当然、負のスパイラルです。

人口減少

労働力人口が減少

企業の撤退や廃業の増加

若者が流出

出生率低下

高齢者の割合だけが増加

社会保障負担が増加

若者が流出が止まらない

人口減少がさらに進む

もう、どうにもなりません。
若い人は、早めに県外に出てください。

優秀な人が集まる地域

さて、話は変わりますが、私はアメリカのサンフランシスコ市南に位置するシリコンバレーに1年間住んでいたことがあります。午前は語学学校に通っていて、午後はゴルフなどをして、ほとんど遊んでいました。

意外かもしれませんが、サンフランシスコ市自体の人口は80万人しかいません。
秋田県の人口より少ないのです。

シリコンバレーの中心になる都市が「サンノゼ」なのですが、人口が100万人程度です。
こちらも、秋田県の人口とほぼ同じです。

この地域には、世界中から優秀な人が集まってきて、世の中を変えるようなサービスを生み出しています。アップルやグーグル、ヤフーその他もろもの世界的ネット企業はここに集まっています。

それでは、なぜ、この地域に優秀な人が集まってきているのでしょうか?

答えは簡単で、「優秀な人」がいるためです。

優秀な人がいるから、優秀な人が集まるのです。

縮小する地方がすべきこと

話を秋田県に戻します。

人口減少が著しい秋田県がすべきことは何でしょう

企業誘致でしょうか?

少子化対策でしょうか?

当然これらは重要ですが、どの地域でもやっているので、人口を増やすための差別化にはなりません。

地域は人からできています。
そして、優秀な人がいれば、優秀な人が自然と集まります。

すなわち、最も大切なのは、人を育てることです。

地域を変えることができる人を育てること、もっと言えば、世の中を変えることができると信じる人を育てることが大切ではないでしょうか?

幸いにして秋田県の学力テストの平均点は日本一です。

これをさらに進めて、ただの学力ではなく、世の中を変える「思考力」を持った人材を育てることこそ、縮小していく地方がすべきことだと思うのです。

この記事の著者

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小笠原貴史

フォームズ株式会社

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