私の事務所のすぐそばにあるの「着物の加賀正」が倒産しました。
秋田では老舗の呉服屋です。
(名)加賀正(TSR企業コード: 220019541、秋田市中通1-3-24、設立昭和25年10月、資本金100万円、加賀谷正司社長)は11月18日、破産手続きを渡部聡弁護士(渡部聡法律事務所、同市山王中島町13-41、電話018-865-2127)に一任した。
負債総額は約3億1000万円。http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20151119_01.html
東京商工リサーチから引用
入り口には、例のごとく弁護士による破産申し立ての張り紙がされている。
呉服業界の衰退
呉服業界は、最盛期には1兆9000億円規模の市場であったのが、今では3000億円程度になっています。
なんと、市場が6分の1になってしまいました。
(加賀正も最盛期には9億円の売り上げがありましたが、昨年は1.58億円で、同じく6分の1です)
業界が縮小した大きな原因の1つが、ライフスタイルの変化で、着物を着る習慣が無くなったことだと言われています。
確かにその通りなのですが、そもそも着物の値段が高すぎる、または値段の付け方に問題があるため、着物を着る習慣が無くなったのではないでしょうか?
昔はセットで100万円とかはザラにあり、値段と品質が比例しているわけでもありません。
その上、着物を絶対に着なければいけない機会なんてほとんどありません。
今では、もっと手軽な着物がネット通販で数万円で買えるようになっています。
そのため、着物の価格が下がったことで、市場乗規模が小さくなったとも考えられます。
競合との差別化に失敗
着物と競合する商品に、高級スーツなどの洋服があります。
洋服の場合、値段の付け方はだいたい一律であり、生地等の違いはありますが、ほぼブランドによって決まります。
そのため、「服の価値=ブランド」と、無意識に人は考えます。
このような価値観が大勢なのに、昔ながらにいまだに値付けが不明瞭で、かつブランドも確立されていないのが着物なのです。(生地のブランドはありますが)
今の時代、こんなリスクのある商品を好んで買う人は多いとは思えません。
価値観は時代によって変わる
もはや、ネットで事前に調べるのは当たり前であり、消費者は価格や品質も含めた商品に関する基礎的な知識は持っています。
呉服業界はライフスタイルの変化を嘆くのではなく、今の消費者の価値観に合わせること、すなわち
- ・値付けの明確化
- ・品質の明示
- ・ブランドの構築
をするべきではないのでしょうか?
ネット時代の消費者が当たり前に要求していることをすべきであり、「着物を着る習慣を増やそう」などといっても、この根本が決されない限り、呉服業界の復活はありえないと思います。