一般社団法人 秋田県中小企業診断協会

後悔しないホームページ(ウェブサイト)制作会社の選び方

2015.11.11

中小企業のホームページ(以下、ウェブサイト)を見ると、お金をかけて作ったらしく見た目は豪華だが、ほとんど更新されてないところがあります。

逆に、無料ブログや無料ホームページサービス上で作っているけど、よく更新されているところもあります。

皆さんは、このようなウェブサイトを見てどのように感じるでしょうか?
どちらが、信頼できる、または、もう一度見てみようと思いますか?

もうお分かりだと思いますが、ほとんど更新されていないウェブサイトは、いくら見た目が良くてもイメージダウンの方が大きいです。

「企業のウェブサイトを作ろう」というのは誰でも思いつくのですが、多くの中小企業では、その先の「どのように運営するか」については、ほとんど出来ていないが現状です。

ウェブサイトは作成よりも運営の方が重要

ウェブサイトは、制作会社にお金さえ払えば簡単に作ってもらえます。
制作会社はプロなので、見た目の美しいものを作ります。

しかし、見た目の美しさだけでは、長期的には集客には結びつきません。
(美容関連サイトなどの見た目の美しさが、デザインの主目的の場合は別ですが)

ヤフーや楽天などの有名サイトを見ればわかりますが、見た目の美しさより、分かりやすさ(運営)の方に重点を置いています。極端に言えば、見た目の美しさは2、3回見ると飽きられると思った方がいいです。

ウェブサイトが成功するかどうかは、その95%が運営によります。
(私の会社は月に100万人のアクセスがあるクラウドサービスを運営しています)

ウェブサイトの運営については、制作会社も素人

ウェブサイトを作った後は、運営についても制作会社に相談すると思います。

しかし、運営については、できる限り自力で調べて行うことをオススメします。
(余裕があれば、専門のウェブマーケティング会社でも良いです)

なぜなら、ウェブサイトの運営は、企業の営業活動と同じだからです。
企業が継続して行わなければいけないものなので、自社のノウハウとして蓄積する必要があります。

さらに自力で行う理由の1つとして、運営ノウハウを持った制作会社が非常に少ないこともあります。

日本には数千社以上にウェブサイト制作会社がありますが、確実な運営ノウハウを持った業者は5%もないはずです。

なぜ運営ノウハウがないかというと、制作会社は制作のプロであり、営業のプロではありません。
基本的に、制作会社は顧客にウェブサイトを納品したら、それで仕事は終わりです。

顧客の要望で、運営についても、新着情報の更新や、広告配信などの業務を行うこともありますが、最終的にそれが集客に結び付くかどうかについては、関知しません。
(依頼された業務を行うことが目的で、その効果について検証することは少ない)

運営については、全ての制作会社が、ノウハウを持っているわけではないことに注意してください。

ウェブサイト制作会社の選び方

そうはいっても、ウェブサイトを作るだけであれば制作会社に頼むのが手っ取り早いです。

そこで、良い制作会社の選び方のポイントを教えます。

  • 制作実績ではなく「成功実績」
  • ウェブサイト作成目的の理解
  • ユーザの導線設計
  • アクセス解析から集客の仮説

制作実績ではなく「成功実績」

有名企業のウェブサイトの制作実績があっても、実力がある制作会社とは限りません。

これについては、有名企業のウェブサイトより、個人のブログの方が集客に成功している例がたくさんあることからも分かるはずです。

大切なのは「成功実績」です。

それでは、「成功実績」とは何かというと、「リニューアルでアクセス数が5倍に増えた」「1月当りの問い合わせ件数が10件増えた」など、具体的な「改善された数値実績」です。

すぐに効果を出すのは難しいですが、改善を重ねることで、数値を狙ってあげることは可能です。

たとえば、スマホゲームを提供している企業では、リアルタイムで利用者の状況を把握し、改善を続けています。トップクラスは月に100億円以上を稼ぐのですから、いかに運用が重要であるか分かると思います。

制作実績数については、少ないよりは多いほうが良いでしょう。しかし、これはウェブサイトの成功に、直接結びつくものではありません。

ウェブサイト作成目的の理解

ウェブサイトを作成する、またはリニューアルする時には、必ず「目的」があります。

たとえば

・商品を販売したい
・問い合わせ件数を増やしたい
・アクセス数を増やしたい
・スマホに対応したい

ウェブサイトの設計というのは、この「目的」を達成するために行います。
この目的を達成できないのであれば、いくら見た目を良くしても意味がありません。

サイト制作の一番最初は、この「目的」を理解することから始まります。

もし、この目的を聞いてこない、またはきちんと理解してないと思われる業者であれば、成功が期待できないので避けた方がいいです。

導線設計ができる

そして、ウェブサイトの目的を達成するには、導線の設計が必要です。
詳しく言うと、ウェブサイトを閲覧している人に、こちらが狙った通りに動いてもらいゴールに導くことです。

この導線設計には、誘導させるデザインやアクセス解析のノウハウが必要なので、一朝一夕にはできません。

残念ながら、紙媒体のデザインをメインにやっている制作会社には、この導線設計ができるところは少ないです。

アクセス解析から集客の仮説

ウェブサイトのアクセス解析というのは、宝の山です。
ほんの少し気づきで、ネットショップの売り上げが大きく変わることもあります。

たとえば、検索キーワードやアクセスの多いページを分析することで、顧客ニーズを把握し改善の方向性を探ることができます。
これは、コンサルティング業界の「仮説を立てる」プロセスと同じです。

ウェブサイトを運営、改善していくうえで、アクセス解析というのは「必須の能力」です。

現状のウェブサイトのアクセス解析から、改善の提案(仮説)をし、具体的な目標達成のためのプロセスを構築できる制作会社は、実力が高い可能性があります。

優れたウェブサイト制作会社を簡単に見分ける方法

上記の4つの選び方のポイントを、たった1か所確認するだけで、すぐに見分ける方法があります。

それは

ウェブサイト制作会社自体が、集客力のあるサイトを企画、運営しているかどうか」です。

優れた企画力と運営ノウハウを持っているのであれば、とっくに自分たちでサイトを運営して成功しています。

当たり前だと思いますが、このような制作会社は非常に少ないのです。

この記事の著者

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小笠原貴史

フォームズ株式会社

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